第6回日本フットケア・足病医学会年次学術集会

会長挨拶

会長 飯田 修

第6回日本フットケア・足病医学会年次学術集会
会長 飯田 修
大阪けいさつ病院 循環器内科

足病患者のLIFE-TIME MANAGEMNET

このたび第6回日本フットケア・足病医学会年次学術集会の学会長を拝命いたしました大阪けいさつ病院の循環器内科飯田です。諸先輩方が作り上げてきたこの歴史のある学会の大会長を仰せつかり身に余る光栄でございます。

今回の学術集会のテーマは、” LIFE-TIME MANAGEMNET”です。足病を有する患者さんの一生 (それは未病段階からその命が尽きるまで [未病・発症・治癒・再発・切断・死亡])に関して、とことん考える会にしたいという思いが込めております。私自身の足病に対する診療のモチベーションの根源は、足患者さんが残念ながら亡くなってしまった時の家族、残念ながら大切断になると決まった時のそのタイミングでの無念そうな表情や言葉です。おそらく参加の皆様がこの気持ちに共感をして下さることが多いと思います。足疾患は良性疾患ですが、時にゴールが見えなくなる慢性疾患であります。そのような疾患において医療従事者の”判断“が原因で不良な転帰を経過することも少なくなく、マスデータでの臨床研究よりもその一例から学ぶことも多くあります。

すべての足患者さんは、実際の臨床現場で必ず同じことを望みます。それは、”自分の足で歩きたい”、 “親からもらった足を最後まで切りたくない”、です。専門家がその足を診れば、歩き方、傷の場所、血管の閉塞形態、などから患者さんがどのように今まで歩んできたかがおおよそわかります。足は第二の心臓とも言いますが、実際に心臓だけではなく”足は人生なり (Life is on legs)”であります。その”Life”を支え続ける足をどのようにみんなで守っていくことこそ、我々の使命であり” LIFE-TIME MANAGEMNET”であると考えます。

足疾患ほど複数診療科・多職種で行う疾患はありません。日本に足病学が存在しない現状において、足病患者の診療は複数診療科・多職種で加療を行いますが、疾患の病期・病勢のその時々で深くかかわる専門家は異なります。このような背景において、この学会名に表記されるように、患者さんに対し下肢救済やフットケアを含め、患者さんの足をどのように守るためには、各診療科や各職種の足以外の英知を集結させることも重要と思います。このような趣旨での学術集会において、副会長には第4回の大会長である順天堂大学 形成外科教授の田中先生と岸和田徳洲会病院 循環器内科の藤原先生とともに大阪グランフロントにて学会を開催予定です。ぜひ大阪に足を運んでいただき、前例にとらわれない工夫を凝らした学会を通じて足病を学んでいただけましたら幸いです。

副会長 田中 里佳

第6回日本フットケア・足病医学会年次学術集会
副会長 田中 里佳
順天堂大学医学部 形成外科 教授

足病を治癒する特効薬はなく、一度罹患すると足病を抱えて生涯過ごさなければならない患者も少なくありません。我々医療従事者は、足病患者の負担を最小限にできるように治療と予防を行い、患者が足病とうまく付き合え、生涯歩行を守れるよう患者と関われることが理想です。足病患者におけるLIFETIME MANAGEMENTを皆さんで考える最大の機会となるのが、今回の第6回日本フットケア・足病医学会学術集会です。大会長である飯田修先生の熱い思いがたくさん詰まった本学術集会を皆さんと一緒に盛り上げ、たくさん学び、たくさん交流する機会になることを楽しみにしています。

副会長 藤原 昌彦

第6回日本フットケア・足病医学会年次学術集会
副会長 藤原 昌彦
岸和田徳洲会病院 循環器内科 部長

第6回日本フットケア・足病医学会学術集会の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。
私たちは、足病患者さんと共に、LIFETIME Managementという観点から、限りある時間の中で、人生の質をいかに支え、その道のりをどのように共に歩むかという課題に向き合っています。飯田会長と、若き日より足病変の治療に携わってきた私たちは、治療技術の進歩、デバイスの革新、疾患への理解深化という歩みを目の当たりにしてきました。しかし、未だ生命予後の劇的な改善には至っていないのが現状です。本学術集会では、多職種・多専門職の皆様とともに、この課題について熱い議論を交わし、新たな視点・コンセンサスそして明確な展望を見出したいと考えております。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。